時計修理技術者コラムVol.6 外装の変形や歪み~ロレックスバックル(クラスプ)編~
外装の変形や歪み
バックルは日ごろ腕時計を着脱する際に必ず動かす部品です。毎日使用する中で、変形や摩耗によって金属同士の食い合いが変わり、外れやすくなってしまうことがあります。
今回はロレックスのバックルを例にとって、バックルの緩みに関してご紹介いたします。
ロレックスのバックルの歪み
ロレックスのバックルは2枚の蝶番になっているプレートをツメで止める形状になっています。※画像参照
着脱するたびにツメに負担がかかるため、徐々にツメが開いてしまいます。また、ツメを受ける部分も常に負担がかかるため、歪みやすくなります。
ツメが開き、金属が歪んだ状態だと、きちんとバックルが閉まらずに、開いてしまいます。
ツメが開いています。
金属の開きを修正いたしました。
バックル付け根の金属が歪んでいます。
金属の歪みを修正いたしました。
先ほどはしっかりと締まらなかったバックルも、金属の修正により、ぴったりと収まるようになりました。
大きな事故や故障が起こる前に……。
歪みや摩耗が進むと、時計の落下や、大きな破損につながります。バックル一式の交換をしないといけなくなる前に、定期的なメンテナンスを受けていただき、お時計の内部だけではなく、外装のダメージもケアしましょう!