WATCH COMPANY公式ブログ~時計修理技術者コラム~

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時計修理技術者コラムVol.40 クロノグラフの動作~Cal.7750、Cal.861編~

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クロノグラフモデルの構成

クロノグラフ機能を搭載したモデルは、基礎となる部分と、クロノグラフ部分の2種類の機構から構成されています。今回は、スイス時計のクロノグラフモデルに多く使用されているCal.7750と、オメガ/スピードマスター手巻きモデルなどに使用されているCal.861を例に取り紹介いたします。

1.Cal.7750

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(写真前)Cal.7750全体/(写真後)オスシレーティングピニオン(クロノ上下接続カナ)です。
上ホゾ(カナが小さい方)がクラッチレバーのホゾ穴に入り、下ホゾ(カナの大きい方)は4番車に隣接する穴石に入ります。
下ホゾ側の大きなカナは4番車へ噛み、上ホゾの小さなカナはクロノセンター車へ噛み合うことでセンター車を動作させます。
クラッチレバーはクロノグラフのON/OFFによってセンター車へオスシレーティングピニオンを接続させたり離したりします。

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2.Cal.861

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Cal.861はCal.7750とは異なり、4番車から受けより上に伸びているホゾにつく出車になります。
この出車は4番車と同じホゾで稼働しており、隣接するクラッチホイールと常に噛み合っています。Cal.861ではクラッチホイールがクロノグラフのON/OFFによってセンター車へ噛み合ったり、離れたりします。

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シスレーティングピニオンの場合、上下のホゾが摩耗し、動作が悪くなると、ベースムーブメントの動作が正常でも、クロノグラフを組み込む(作動させる)と動作不良を起こす、という症状が起こります。動作に不具合を感じたら無料の見積もりサービスをご利用ください!

 
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