WATCH COMPANY公式ブログ~時計修理技術者コラム~

時計修理専門店WATCH COMPANYの公式ブログです。

横浜に修理受付窓口を開設いたしました!

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TOCみなとみらいにて修理受付が可能になりました。

みなとみらい21地区の主要駅のひとつ桜木町駅から徒歩1分、TOCみなとみらいで現行品の当社取扱いブランドに限り修理品のお預かりが可能です。見積まで土日を除く3営業日・最短納期2週間も変わらず対応しております。横浜エリアにお住まい・お勤めのお客様には特に便利にご利用いただけます。

 

横浜受付 平日10:00~17:00(土・日・祝日は休業となります)
※修理品お預かり業務のみとなります。見積・納品は本社からのご連絡と配送になります。
※電池交換のご依頼は3,240円~にて承りが可能です。本社にて作業を行うため、必ずお預かりとなります。(お預かり期間は約1週間です)

 

〒231-0062

神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7
TOCみなとみらい10階 サーブコープ
TEL:045-228-5509

桜木町駅北改札から1分。コレット・マーレ横のエスカレーターから2階スカイデッキへ。外壁沿いを進み、オフィスエントランスからエレベーターで10階へおあがりください。

 

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右側奥・サーブコープカウンターにて当社専属スタッフが対応いたします。時計修理の受付をお申し付けください。「修理ご依頼書」をご記入いただき、お時計を預けて頂きましたら、土日を除く3営業日を目安に本社よりお見積もりのご連絡をさせていただきます。

 

 

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時計修理技術者コラムVol.15 一番受けの摩耗が引き起こす不具合~Cal.ETA2892編~

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部品の摩耗による不具合

日々修理を行わせていただいていると、「油切れ」、「摩耗」などの言葉を非常によく使用しています。摩耗といっても、時計の部品は非常に小さいため、専用のルーペを使用しないと判別できないレベルのものがほとんどになります。
今回は部品の摩耗と、摩耗に伴う不具合をフランクミュラーやブルガリなど多くのメーカーで採用しているETA2892の一番受けを例にご紹介していきます。

一番受けの仕組み

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一番受けはゼンマイが収められている香箱を上から押さえているプレート状の部品で香箱受けとも呼ばれます。ゼンマイを巻き上げる際に稼働する複数の歯車が取り付けられる土台にもなっています。※ムーブメントの種類によって構造は異なります。

ETA2892では、ゼンマイを巻き上げる際に、遊動車と呼ばれる丸穴中間車が左右にスライドし、自動巻きと、手巻きを切り替えを行っています。

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丸穴中間車(赤矢印部分)がある程度稼働できる作りになっています。このスペースが無いと、多くの歯車が連動してしまい、自動巻き上げができない、部品の負担が非常に大きくなるなどの不具合が生じます。

 

一番受けの不良(摩耗)

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新品の一番受け(前)、摩耗した一番受け(後)

丸穴中間車が入る軸は、油が切れると歯車が動くことで削れることがあります。後者の軸は大きく削れているため、歯車の可動範囲がより大きくなり、他の歯車にも悪影響を与えてしまいます。
写真の状態まで削れてしまうと、修正ができないため一番受けごと交換が必要になります。一番受けは比較的高額な部品となるため、交換すると必然的にトータルの修理料金も高くなってしまいます。

手巻きに違和感を感じたら……

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一番受けが摩耗した状態で感じる不具合(違和感)は、

 

・手巻きをした際にごりごりとした感触がする
・手巻きが非常に重い

 

などがあります。また、時計の機能としても自動巻き上げ不良や、パワーリザーブ不足などの症状も生じます。
実際の使用状況にもよりますが、

 

・長期間オーバーホールしていない
・手巻きを頻繁に行っている

 

などの場合は注意が必要です。思い当たる点がありましたら是非一度無料見積もりを受けていただくことをお勧めいたします。

 

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時計修理技術者コラムVol.14 ダイバーズウォッチの特殊構造~ロレックス シードゥエラー編~

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ダイバーズウォッチ(防水時計)の特殊構造について

機械式時計の防水技術が高まるにつれて、ダイバーズウォッチの時計ケースにも特殊な構造が搭載されるようになりました。その一つがヘリウムガスエスケープメントバルブ(ヘリウム排出バルブ)です。今回はロレックスのシードゥエラー(Ref.16600/116600)を例に役割と構造をご紹介させていただきます。

ヘリウムガスエスケープバルブの役割

飽和潜水は非常に高い水圧下での活動となります。その際に高分圧の窒素を摂取することで窒素中毒を引き起こす危険性があるため、酸素とヘリウムの混合ガスを使用することが多い。
ヘリウムは密度(分子)が小さいため、高水圧下での呼吸抵抗の低減に役立ちますが、その分子の小ささゆえに、高性能のダイバーズウォッチでも内部に侵入してしまいます。
圧力が高いヘリウムガスが充満したままで低水圧(気圧)下に戻ると、ケース内外の気圧差で時計が破損する(ガラスが外れる)恐れがあります。
そういった破損を避けるために、内部に混入したヘリウムガスを逃がす役割をしているのがヘリウムエスケープバルブです。

ヘリウムガスエスケープバルブの構造

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ロレックス/シードゥエラー/16600 ヘリウムガスエスケープバルブ(前)、分解(後)

ヘリウムガスエスケープバルブは普段使用している際(大気圏使用時)は、ケースとバルブ間のパッキンが密着し、生活水を遮断しています。また、深海では水圧を利用し、内蔵されているスプリングがバルブを押し、防水性を保つ仕組みになっています。このバルブの構造は1967年にロレックスが開発し、特許を取得しています。

ダイバーズウォッチの落とし穴

ヘリウムガスの排出を目的として堅牢なオイスターケースにバルブを取り付け、パッキンで防水をしているため、パッキンが劣化し断裂等を起こした場合はバルブから浸水してしまう恐れがあります。時計修理専門店WATCH COMPANYでは、オーバーホールの際にバルブを完全に分解してバルブ周りに付着した汚れやごみを除去するだけではなく、劣化したパッキンの交換も行っております。

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ダイバーズウォッチの防水性は非常に素晴らしい反面、特殊構造部分のケアを怠ると水入りなどのトラブルに遭う恐れがあるため、定期的なメンテナンスをお勧めいたします。

 

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時計修理技術者コラムVol.13 ロレックスのムーブメントの特徴~デイトナCal.4130編~

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オーバーホールのススメ

ロレックスの時計が自社性ムーブメントを搭載していることはあまりに有名ですが、そのムーブメントのクォリティーの高さ、故障頻度の少なさから、メンテナンスを一度も受けずに何年・何十年も使用されているユーザーさんが多いようです。今回はロレックスのムーブメントを例に交換頻度の多い部品の紹介と、定期メンテナンスの大切さをご紹介いたします。

 

ロレックス/デイトナ(Cal.4130)の特徴

デイトナには2000年から現在に至るまで、Cal.4130というムーブメントが使用されています。

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発表されてから20年弱の間にマイナーチェンジを繰り返し、ムーブメントの耐久性や精度を高めています。ロレックスが完全に自社生産した機械で基本的には丈夫に作られています。またメンテナンス(オーバーホール)も非常にしやすい設計になっています。ただ、非常にクォリティの高いムーブメントのため、異音がする、止まりなどのお客様自身で気づきやすい不具合が起こりづらいという特徴があります。

 

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旧型のクロノグラフランナー(左)と新型のクロノグラフランナー(右)です。外周の歯車の形状が改良されています。

 

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旧型の4番車(左)と新型の4番車(右)です。内側の歯車の形状が改良されています。

 

摩耗しやすい部品

「最近止まりやすくなった、遅れが気になる。」などの理由でお持込いただいた時計を見ると、油の劣化、部品の摩耗がかなり進行していたケースが多いです。下記にご紹介する部品のような状態になってしまうと、部品の修正ができず交換が必要になります。交換部品が多くなると、結果的に修理代金が高額になってしまうことになります。

 

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交換が必要な状態の2番車です。中心部分が摩耗し黒くなっています。

 

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アンクル全体図(前)アンクル拡大図(後)

調速機構のアンクルです。矢印部分の爪石に傷が入っています。動きが悪くなり精度不良の原因になります。

 

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新品のフリクションスプリング(前)摩耗により円状に溝ができたフリクションスプリング(後)

センターセコンドが取り付けられる歯車を規制している部品です。

 

早め早めのメンテナンスを!

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購入して最初のメンテナンスはなかなかタイミングがつかめないというお客様もたくさんいらっしゃいますが、早めのメンテナンスをしていただくとトラブルなくお時計を使用いただけると思います。特に新品の時計は、最低限の油量しか注油されていなかったり、お客様の手元に渡るまでにすでに数年が経過していたりする場合もあるんです!

お時計の深刻な故障が発生する前に、3年から5年に一度定期メンテナンスをお勧めいたします。

 

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時計修理技術者コラムVol.12 ガラス接着剤の劣化~フランクミュラー・カルティエ編~

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時計ガラスの取付方法

時計のガラス(風防)を取り付ける方法として、主に3つ挙げられます。

 

・ガラスパッキンによる固定(ロレックス、ブライトリングなど)

 

・接着剤による固定(フランクミュラーカルティエなど)

 

・圧入式(オメガなど、プラスチック風防が採用されているモデル)

 

今回は接着剤で取り付けをするフランクミュラーカルティエを例にご紹介いたします。

ガラス接着剤の劣化

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フランクミュラー/トノーカーベックス

経年劣化により、ガラスの接着剤が劣化したガラス(前)ガラスの再接着を行ったガラス(後)

 

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カルティエ/パンテール

ガラスの接着剤が変色したガラス(前)ガラスの再接着を行ったガラス(後)

 

ガラスの取付順序

1.経年劣化により変色してしまった接着剤をガラス、ケースから除去するために剥離剤に浸します。
劣化が進行すると、超音波洗浄機にかけると外れる場合もありますが、ガラスの破損がないよう慎重に作業を行うため、剥離剤を使用します。

 

2.取り外したガラスとケースの接着面に残っている接着剤を残らずすべて除去します。接着面にもともとの接着剤が残っている状態だと、新しい接着剤がしっかりと浸透しないため、ガラスを再接着した際の見栄えが悪くなります。

 

3.上記2点の作業が完了したら取り付け作業を行うことができます。
当店では紫外線硬化作用のある接着剤を使用しています。粘度が低く、ガラスとケース間にしっかりと浸透します。また、無色のため接着完了後の見栄えがよく仕上げることができます。接着剤を塗布し、ケースにセットした後、接着剤が不足している箇所に接着剤を追加し、全体に完全に浸透したことを確認し完了となります。

ガラスの接着面が変色してきたと思ったら……

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ガラス接着剤の劣化は、文字盤への湿気や細かいごみの混入だけではなく、防水性の低下による水入りの原因にもなります。

お手持ちのお時計の文字盤に小さいごみや目立つようになった、針やインデックスのくもりが出始めたなど、少しでも目に見える部分で変化がございましたら、是非ご相談ください。無料でお見積りさせていただきます。

 

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時計修理技術者コラムVol.11 裏蓋ねじ(ビス)止め式のよくあるトラブル~フランクミュラー編~

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時計の裏蓋の固定方法

時計の基本構造は、ミドルケースに裏蓋を固定するという方式が一般的です。※一部ワンピース構造など特殊なものもあります。

裏蓋をミドルケースに固定する構造としては、

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※ロレックス/サブマリーナ16610

・スクリューバック式 ロレックス、パネライ、ブライトリングなど
裏蓋とケースにねじが切られているケースです。気密性が高く、防水性能が高いのが特徴です。

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※オメガ/スピードマスター3510-50

スナッチバック式 オメガ、ブルガリなど
裏蓋をプラスチックやテフロン製のパッキンで固定するタイプです。

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フランクミュラー/カサブランカ6850

・ねじ(ビス)止め式 フランクミュラーカルティエなど
裏蓋をネジで固定するタイプです。

の3つに分かれます。

今回はフランクミュラーのケースを例に取り、ねじ(ビス)止め式の時計について紹介いたします。

ねじ(ビス)止め式の特徴

ねじ(ビス)止め式とは、裏蓋を複数のネジで固定するタイプを指します。
特徴としては、ケースの厚さを薄くできる、ケースの形状を複雑(楕円形、多角形)にできるため、デザイン性に優れた時計に採用されています。

しかし、汚れや汗、水分がねじ部分から侵入しやすいという欠点もあります。

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フランクミュラー/カサブランカ6850

多くのねじ止め式裏蓋は、パッキンの外側にねじを取り付ける構造のため、防水性能が保証されている時計であっても、ケースと裏蓋の隙間から汚れや汗が浸入して、ねじ部分にまで達する場合があります。

長年の汚れや汗によって、オーバーホールや電池交換の時期にはねじやケースのねじ穴に腐食やさびが発生し、ねじがボロボロになり使用できなくなる、さびの固着によりねじが折れてしまうなどの弊害が起こります。
その場合、ねじ交換や、折れ込んだねじの除去が必要になり、修理料金も高額になります。

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フランクミュラー/トノーカーベックスグランギシェ6850S6GG

ねじがさびてケース内で折れ込んでいます。裏蓋にもさびが広がっています。

 

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フランクミュラー/裏蓋ねじ

新品のねじ(前)と、汚れが蓄積されたねじ(後)です。

 

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フランクミュラー/裏蓋ねじ
さびが広がり、折れてしまったねじです。

 

ねじ(ビス)止め式時計の注意点

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ねじ部分の狭い隙間に入り込んだ汚れや水分は分解して除去する以外に方法がありません。

そのため、メンテナンスを行っていない状態で長期間使用することで、ステンレススチールのようなさびにくい素材であっても、さびが発生してしまいます。※金無垢素材の場合、変色はしますが、さびが発生することはありません。
時計の動作に特に不具合が無いため、長期間メンテナンスを行っていないと、裏蓋が開かなくなるなどのトラブルにつながる可能性があります。
内部の不具合のためだけではなく、外装の点検のためにも定期メンテナンスをお勧めいたします。

 

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時計修理技術者コラムVol.10 ガラスの防水対策~ロレックスオイスターケース編~

 

 

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時計の防水性能

「自分が持っている時計の防水性能はきちんと機能しているのか?」お時計をお預かりしたお客様からよくご質問をいただく内容です。
メーカーが定めている防水性能はきちんと整備されているお時計が前提になります。パッキンやリューズが劣化している状態だと、本来の防水性能が発揮できず水入りしてしまう場合があります。
時計ケースで水の浸入する可能性がある部分は、一般的に下記の箇所になります。各部位の防水構造がきちんと整備されている状態で初めて防水時計としての耐久性を得ることができます。
1、ガラス部(ガラスとベゼル、またはミドルケースの接合部)
2、裏蓋部(裏蓋とミドルケースの接合部)
3、リューズ部(リューズとミドルケースの接合部)※技術者コラムVol.1にて紹介
4、その他特殊構造部(プッシュボタン、ヘリウムガスエスケープバルブなど)

今回は、1のガラス部の構造をロレックス/オイスターケースを例にご紹介いたします。

オイスターケースのガラス構造

ロレックスのガラス部の構造は、合成樹脂製のパッキン(クリスタルワッシャー)をガラスの溝にはめ込み、ミドルケースの見返しと呼ばれる立ち上がりにかぶせ、最後にベゼルを圧入して固定しています。

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ロレックスのガラスです。矢印の部位に溝があります。

 

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クリスタルワッシャーを溝の部分にはめ込みます。

 

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時計ケースにサファイアクリスタルガラス、クリスタルワッシャーをセットし、上からベゼルを圧入することでガラスを固定し、防水性を確保することができます。

 

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ベゼルを圧入した状態です。ガラスと時計ケースがしっかりと固定されました。

 

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ガラスが欠けたり、クリスタルワッシャーが劣化していると、防水不良の原因となり、ダイヤルや針、ムーブメントを痛めてしまう原因となります。※写真は(前)16220/(後)6694、風防モデル

 

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新品のクリスタルワッシャーです。

 

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長期間の使用により劣化したクリスタルワッシャーです。弾力性が無くなり、ひびが発生するケースもあります。防水性を保持できないため、交換が必要です。

 

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変形したクリスタルワッシャーです。長期間の使用や、誤った取扱いによって一部がつぶれています。防水性を保持できないため、交換が必要です。

 

時計の防水性能を理解して正しいご使用方法を。

時計のムーブメントを埃・湿気・水分から守るために時計の使用目的別に耐水性の規格と防水仕様の区分が分けられています。

【日常生活用防水】(3気圧防水程度)
・日常生活での汗、洗面、雨などに耐えられるもの。

【日常生活用強化防水1】(5気圧防水程度)
・水に触れる機会の多い水仕事、ヨットなどのスポーツに使用可。

【日常生活用強化防水2】(10~20気圧防水程度)
・水に頻繁に触れる仕事や素潜りなどに使用可

【潜水用防水】(100m、200m、300m防水)
・水深100~300mまでの耐圧性と、長時間の水中使用に耐えることのできる性能。スキンダイビング、空気ボンベを使用するスキューバダイビングなど。

【飽和潜水用防水】(200m以上の防水)
・表示水深耐圧性と、ヘリウムガス対策の機密構造を持つ時計。ヘリウムガスを使用する潜水方式にも対応可。

防水性能を保持するためにも定期メンテナンスを!

パッキンや、今回紹介したクリスタルワッシャーの劣化や変形によって本来の防水性が無い状態で水入りしてしまうことの無いように、定期的なメンテナンスをお勧めいたします。また、実際に海やプールで使用する際は、水に入る前に、リューズやプッシャー(得にねじ込み式のモデル)の締め忘れが無いようにしっかりとチェックした上でご使用ください。ご使用後はしっかりと水気を取るなどのお手入れをしていただくこともお忘れなく。万が一水入りしてしまった場合は速やかに専門店に修理出ししていただくことをお勧めいたします。

 

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